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第10回 いびき

2009.8.5 - [生活]

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「家族のいびきがうるさくて眠れない」、「自分のいびきが気になって旅行にいけない」など、いびきで悩んでいる方多いと思います。日本人の中でいびきをかく人は約2000万人ともいわれています。
いびきは、快適な睡眠を妨げ、さまざまな病気の原因となってしまいます。家族や自分の健康の為、今回は『いびき』について考えてみましょう。

 

いびきのメカニズム
「太っている人はいびきをかく」「風邪をひいたり、鼻がつまっているといびきをかく」など世間ではさまざまなことを聞きますが、実際のいびきの原因とはなんなのでしょうか。
人間が吸い込んだ空気が、上気道(鼻腔から気管支のあたりまで)を通るとき、その通り道がなんらかの形で狭められると、空気が無理やり通り道を通るため、上気道の分泌物や粘膜に摩擦や振動が生じます。この振動音・摩擦音が「いびき」なのです。ビルの隙間風が「ビュー」と音をたてるのと同じようなものです。

では、このしくみから、いびきの原因について見てみましょう。

 

いびきの原因
いびきの原因には、大まかに以下のようなものがあります。
① 体型の特徴
実際に振動して音を発生させているのは、 鼻翼・軟口蓋・口蓋垂・舌根部・喉頭蓋などです。寝ているときは顔の筋肉が緩んでいます。首が短い、二重顎の人・下顎の小さい人・下顎が総入れ歯もしくは奥歯がない人では、上 記のような部位を筋肉で支える力が弱く、いびきをかきやすくなってしまいます。

 

② 風邪
風邪でのどを痛めると、上気道に炎症が起きてしまうことがあります。そうすると、上気道での空気抵抗が大きくなり、いびきをかきやすくなってしまいます。

 

③ 寝姿勢
あお向けの姿勢で寝ると振動して音を発生させている部位が重力で引っ張られ、下の方向に下がり、のどの奥に沈み込んでしまいます。そうすると、上気道がふさがってしまい、いびきが発生します。
 

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いびきで引き起こされる病気
① 口内炎・口臭・歯周病
「朝起きると、自分の口からイヤなにおいがする」という方いらっしゃるかと思います。口臭の発生源は歯周ポケットの他に、のどの粘膜とも言われています。いびきにより、呼吸が苦しくなり口呼吸の割合が多くなると、寝ている間にのど粘膜が乾燥してしまいます。そこにバクテリアが繁殖し、イヤなにおいのもととなるガスを発生したり、口内炎・歯周病の原因を作ってしまいます。

 

② 生活習慣病special53_img03
いびきをかいていると、脳が「呼吸を休めるな。もっと呼吸筋をはたらかせろ。」という信号をだし、ストレスを発生させてしまいます。また、呼吸が浅いと血液中の酸素が不足してしまいます。このようなことが原因で、高血圧症・糖尿病・腎疾患・心筋梗塞、心房細動・脳梗塞といった生活習慣病の原因を作ってしまいます。

 

③ 睡眠時無呼吸症候群
いびきが慢性化し、軟口蓋の沈み込みが激しくなると、睡眠時無呼吸症候群という病気を発症している可能性があります。症状は以下のようになります。

睡眠中に無呼吸を繰り返し、その結果、日中に眠くなる、熟睡感がない。無呼吸(10秒以上の呼吸停止)を一晩7時間の睡眠中30回以上、あるいは1時間に5回以上起こす。

睡眠時無呼吸症候群を発症すると、日中の生活に支障をきたす他、呼吸困難に陥り生命にかかわる危険もあります。
「いびきはせいぜい周りに迷惑をかけてしまう程度だ」というような考えは改めなくてはなりませんね。

 

いびき解消法
① 生活習慣を見直そう!
いびきの原因の一つである肥満など、食生活や生活リズムを変えて、いびきをかきにくい体を作りましょう。
・食事は腹八分目、1日3食規則正しくたべましょう。
・糖分・脂質の摂取をひかえ、間食は控えるようにしましょう。
・寝る時間、起きる時間は決まった時間に!ずれても2時間以内にしましょう。

 

② 自分でできるいびき改善法
1.横向きで寝る工夫をする
横向きに寝ることにより、振動する部分の沈み込みを防ぐことができます。布団の下に片側だけ座布団をしいて段差をつけると、いつの間にか寝返りを打って仰向けになるのを防ぐことができます。
2.気道を広く保つ工夫をする
枕にひと工夫し、下に本などをしいて少し高めにして寝ると、気道を広く保つことができます。
3.加湿器で乾燥を防ぐ
部屋の空気が乾燥しているとのどの粘膜の炎症の原因となってしまいます。冬場など湿度の低い季節は寝室に加湿器を備えておきましょう。

 

③ 医療機関の受診
「いびきは何科に行ったらいいのか」と悩む方も多いと思いますが、呼吸器内科や歯科、耳鼻咽喉科などで、診てもらうことができます。また、睡眠時無呼吸症候群の専門的な治療をおこなっているところもあります。「もしかして私も睡眠時無呼吸症候群かな?」と心配な方は一度受診してみることをお勧めします。

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