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第45回 老化

2012.7.31 - [生活]

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ヒトは誕生してから、成長→成熟→衰退という経過を辿ります。その中でも、成熟期以降に起こる心身の変化を「老化」と言います。成長と同じように、老化のスピードにも個人差があります。今回紹介する「老化」に関する知識を、イキイキとした生活のためにお役立て頂きたいと思います。
 
老化の種類
老化は主に2種類に分けられます。
 
1.病的老化
成熟期以降病的老化とは、成熟期以降に起こる心身の変化のうち、誰にでも必ず起こるとは限らないものをいいます。血管の変化、つまり糖尿病や高血圧による動脈硬化などが代表です。
2.生理的老化
病的老化に対し、誰にでも必ず起こる心身の変化を生理的老化と呼びます。老眼・白内障・難聴・女性の閉経・骨や関節の変形などがその代表です。
 
体と心の老化の特徴
『体の老化』special88_img02
・全身状態が悪くなりやすい
私たちの体の中は、環境が変化しても、常に一定に保たれています。これは、恒常性維持という働きのおかげです。お年寄りはこの働きが衰えているために、全身状態が悪くなりやすいのです。そのため、風邪程度でも、完治に時間がかかり、他の病気との合併症を招く事もあります。
・脱水が起こりやすい
お年寄りは、体内に備蓄されている水分が少なくなっています。感覚が鈍くなっているために、体内の水分が少なくなっても、のどの渇きを感じず、飲料をあまり飲まないので脱水状態になりやすいそうです。循環する血液量が減ると、脳へ行く血液量が減少し、意識障害を起こしたり、尿によって体外に捨てられるべき尿素窒素や老廃物が捨てられず、血液中の量が増加したりします。
 
『心の老化』
1.知的機能が低下する
物事を認識・記憶・再生し、総合する能力が知的機能です。男性の場合35歳でピークを迎えると言われています。また、転居・入院などで生活環境が変わると、知的機能が低下しがちです。知的機能の低下は、アルツハイマー病の主な症状でもあります。
2.性格が変化する
年齢を重ねると、考えや言動が自己中心的で保守的になる・活発さが消え、辛気臭くなるなどの、性格に変化する場合があるようです。
3.感情が変化する
「憂うつ感」に捉われ、気分が沈むお年寄りが少なくないようです。健康や経済面への不安・家庭内や社会での人間関係の疎遠・生活目標の喪失などがお年寄りの憂鬱感を誘発しやすいようです。気分転換や気持ちの切り替えが出来にくい事も関係して、なかなか抜け出せないこともしばしばあるようです。そして、外部に向けるべき関心のほとんどが、自分の健康状態や体調に向けられてしまうようです。
 
老化防止のために、気をつけたいことspecial88_img03
「老化」は誰にでも訪れる生命現象の一部であり、これまで紹介したような老化から私たちは逃れることはできません。しかし、老化のスピードは環境要因により大きく影響を受けるとされ、生活の見直しは老化予防の第一歩となると考えられています。
1.食事面
70歳以上の高齢者の1日に必要なエネルギー量の目安は、男女とも1,600~2,000kcalであり、この量を満たすには1日3食しっかりとした食事を摂る必要があります。
 
たんぱく質 ・・・ 筋肉を維持するのに欠かすことができない栄養素です。1日の摂取エネルギーの12~14%は、たんぱく質で摂取する必要があります。豆腐などの大豆の加工品や魚を中心にすると良いでしょう。
脂質 ・・・ 脂質や糖質の過剰摂取は、肥満を招き、大腸がん、乳がんなどを発症させやすくします。脂質の摂取は、1日の摂取エネルギーの20~25%にします。
カルシウム ・・・ 摂取不足だと、骨に蓄えられているカルシウムの消費量が増え、骨塩量の不足が進行するようです。1日600mg=牛乳200m?の摂取でこの量を満たすことができます。 以上に加え、ビタミンC・E、鉄、亜鉛、ヨウ素などの摂取不足にも注意が必要です。これらは、様々な食品をまんべんなく食べていれば、不足することはないようです。
 
2.運動面
運動もまた、筋肉や骨の減量を防ぐために重要な役割を果たします。体を動かさずにいると筋肉は細くなります。筋肉を動かし、骨にある程度の負担をかけることが必要です。中でもオススメな運動は「ウォーキング」で、15~20分間うっすらと汗ばむ位の速さで歩くのが効果的です。そして、骨や筋肉の減量を食い止めるには、週に何度か歩く日を設けて運動を継続的に行うことが重要だと言われています。運動は、心身のリフレッシュにも繋がります。天気の良い日を選んで、始めてみてはいかがでしょうか。
 
3.社会活動に参加する
定年退職した人や子育てを終えた人は、将来の目標がなくなり、生活の張りを失って、心身に不調が生じることが多いと言います。参加できる社会活動の場を作っておく、積極的に参加してみることが大切です。

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