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第89回 乳酸菌

2016.4.18 - [栄養]

乳酸菌とはdrink_nyuusankin
乳酸菌は腸内の環境を整えて免疫力を高めるなど人によい働きをする、糖類から乳酸をつくる細菌の総称です。種類は200以上あり、ビフィズス菌も乳酸と酢酸を作り出すため乳酸菌の一種として扱われることがあります。自然界のあらゆる所に存在し、発酵食品の製造にも使われます。乳酸菌は人体に良い影響を与える為、善玉菌といわれます。
人の消化管にも100兆以上の菌が存在していると言われ、私たちが毎日摂取する食物を栄養源とし吸収して、色々な働きをしながら特殊な物質をつくり出します。体内の細菌は乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌と、大腸菌やブドウ球菌などの悪玉菌、体調によって悪影響を発揮する日和見菌もあります。それぞれがつくり出す物質が人間の健康と深くかかわり、人間の生理機能や代謝などの諸活動に大きな影響を及ぼしています。
腸内の善玉菌である乳酸菌がなくなって腸内細菌のバランスが崩れると、免疫の調整がうまくいかなくなり、便秘や下痢、病気や老化の原因にもなってしまいます。
 
乳酸菌の働き
年をとると悪玉菌が増え、それらがつくりだす有害物質によって腸の老化がいっそう進みます。乳酸菌はその有害物質の発生を防ぐ働きを持っています。
食べ物で摂った乳酸菌は腸まで生きたまま届くものと、胃酸などの影響で途中で死滅してしまうものがあります。生きて腸に届いた乳酸菌は、腸内に定住している善玉菌が増えるのを促す一方で、自ら悪玉菌を退治する働きをします。途中で死滅してしまった乳酸菌も無駄ではなく、退治された悪玉菌に吸着して外に排出し、腸内をすっきりきれいにしてくれます。
食べ物から乳酸菌やビフィズス菌を補えば腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えるため、腸の老化やがんなどの発症のリスクも低くなります。そのため、年を重ねるにつれ、乳酸菌が入っている食べ物を積極的に摂ることが重要です。
 
乳酸菌がもたらす健康機能pose_genki02_girl
・免疫力を高める
・がん予防
・便秘解消
・肝機能向上
・コレステロール低下
・肌のトラブル解消
・抗生物質の副作用低減
 
プロバイオティクス
プロバイオティクスとは口から摂取され、腸内環境のバランスを整え体によい作用をもたらす乳酸菌やビフィズス菌などの微生物、またはそれらを含む製品、食品のことです。
このような菌類を健康づくりに利用しようという考えが広まっています。
乳酸菌は菌種によって作用が異なります。乳酸菌の中でも特徴的な働きや独自の作用を持つ菌種の研究が進んでおり、これらを含むヨーグルトや乳酸飲料が特定保健用食品として作られて、アレルギー改善効果やインフルエンザなどの感染予防として期待されているものもあります。
 
*話題の機能性成分*
LG21菌(ラクトバチルス・ガセリ)
・乳酸菌の一種で、胃潰瘍などの原因となるピロリ菌を取り除いたり、減らす働きがあり、この乳酸菌を配合したヨーグルトなどが市販されています。
 
KW乳酸菌(ラクトバチルス・パラカゼイ)
・乳酸菌の一種で、他の乳酸菌と比べて花粉症などのアレルギーを低減する効果がたいへん高いことが分かり、乳酸菌飲料などに利用されています。
 
健康や、若々しさ、キレイの秘訣は、腸と大きく関係しており、実年齢以上に腸が老化していることもあります。乳酸菌のそれぞれの特徴や機能を知って、意識して毎日の食事で補い、腸内環境を整えていきましょう。また、加齢だけが原因ではなく、ストレスや生活習慣の乱れによっても悪玉菌が増えてしまう為、定期的なストレス発散や規則正しい生活をすることも大切です。

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