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第96回 減塩のすすめ

2016.11.29 - [健康]

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世界的に見ても、日本人は塩分の摂取が多いことで知られています。ご存知の方も多いと思いますが、塩分の過剰摂取は高血圧などの生活習慣病の引き金のひとつ。減塩によって生活習慣病の予防に役立つばかりではなく健康な毎日を送ることができるようになります。短命県返上に向け、減塩生活はじめてみませんか?

1日の塩分摂取量
日本人の成人の塩分摂取量は1日平均10.2g<男性11.1g、女性9.4g>です(平成25年国民栄養調査)。『日本人の食事摂取基準(2015年版)』では男性1日8.0g未満、女性7.0g未満を目標としているので、塩分を摂りすぎていることがわかります。日本高血圧学会では、高血圧予防の観点から、男女ともに塩分摂取量1日平均6.0g未満を目標としています。

≪ 栄養成分表示ではナトリウム量のみ表示されることもあります。ナトリウム量から塩分量を出すには次の公式を用います≫
ナトリウム量(mg)×2.54÷1,000=塩分相当量(g)
 
食塩摂取が大きく関わる病気sick_noukousoku
いちばん影響を受けるのは血圧です。塩分を摂りすぎると血管の抵抗が高くなり、血圧が上がりやすくなります。高血圧だと血管が傷み、心血管疾患(心肥大や心不全などの心臓病)、脳血管疾患(脳梗塞や脳出血などの脳卒中)などが起こりやすくなります。
腎臓の機能が低下する腎不全のリスクも上がります。腎臓は塩分を排泄する臓器ですが、塩分摂取が多すぎると腎臓の負担となるからです。また、尿路結石、骨粗しょう症、胃がんの誘因にもなります。
この他、塩分の過剰摂取は自律神経のうち交感神経を興奮させたり、有害な活性酸素による酸化ストレスを増大させたり、血糖値を下げるインスリンの効き目を落とすインスリン抵抗性を高めたりする生理的な異常を招き、メタボリックシンドロームなどのさまざまな生活習慣病の引き金となります。
 
おいしく減塩するためには
① 「だし」が決め手cooking_dashi
だしの味をしっかり利かせると、塩分ひかえめでも風味豊かにおいしく食べることができます。食材そのものの味を活かしシンプルな味付けにする時は、だしを上手に利用することをおすすめします。乾物の戻し汁にもうまみがあるのでぜひ活用してみましょう。
② 酸味で味付けに変化
酸味は味付けに変化を与えてくれます。レモンやすだちなど柑橘類のほか、酢もさまざまな種類があり、和え物や焼き物をさっぱり仕上げます。
香ばしさや食感をアクセントに
焼き目をつけて香ばしさをアップしたり、炒ったごまやくるみなどを使うと歯触りや風味がでます。
スパイス&ハーブでおいしさアップ
スパイスやハーブが持つ香りや辛みが、料理の味を引き締めたり風味を引き立て、薄味の物足りなさを補ってくれます。ゆず、しそ、みょうが、ハーブなど香りのある食材や、海苔やかつお節などもおすすめです。
油脂を利用
ごま油やオリーブオイルを料理の仕上げに少量加えて風味を高めたり、歯触りのよいナッツ類をトッピングしたり、オイルやナッツを上手に使うと、塩分が薄くても美味しく食べられます。ナッツ類は塩味のついてないものを選びましょう。
下味より後からプラス
限られた塩の使用量では、下味に使うより、料理の表面に味があるほうが、より少ない塩分で満足感を得られます。
⑦ 塩分の高い加工食材は控えめに
かまぼこなどの練り製品やハム・ソーセージなどの肉加工品は塩分が高いものが多いので、使う場合には量に気を付けましょう。
⑧ 汁物は具だくさんに
味噌汁にたくさんの野菜を入れて具だくさんにすると、汁の量が少なくて済むので結果的に減塩につながります。
調味料は量ることを習慣に
目分量の味付けは、無意識に塩分が多くなりがちです。最初は面倒でも習慣にしてしまえば、入れ過ぎることなく、おいしく調理することができます。
⑩ ゆっくり味わう
塩分控えめの食事を意識しても、たくさん食べ過ぎると結果的に塩分摂取量が多くなります。よく噛んでゆっくり味わうと食べ過ぎも防げます。
 
塩分(ナトリウム)を排出する栄養素
カリウムには塩分(ナトリウム)を排泄する働きがあります。カリウムは野菜、果物、肉類、魚介類などの多くの食品に含まれていますが、煮炊きなどの調理をすると細胞質から外に抜けやすくなります。野菜、果物、魚介類などで生食できるものは、加熱せずに食べた方がカリウムの摂取量が増えます。この他、マグネシウムやカルシウムといったミネラルにも塩分の排泄を助ける働きがあります。
※カリウムは果物に多く含まれていますが、糖分が多いので、カロリー制限をしている方は注意してください。
 
無理せず・楽しく・適量をseikatsu_syukan_woman_good
塩分量は、日頃の心がけと工夫で減らすことができます。減塩食は「物足りない」「美味しくない」というイメージがありますが、日常生活で少し意識することで、普段どおりの美味しさと満足感を保ちながら無理なく続けることができます。最初から無理せず徐々に薄味にしていくことがポイントです。
外食などを減らし、だしやうま味を活かして調理したものを食べる、各食品や調味料は減塩のものを使うなどちょっとした工夫が減塩につながります。日々の食事を見直し健康な食生活を送りましょう。え

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