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第22回 擦り傷・切り傷

2010.8.20 - [生活]

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外へ出かける機会が多くなる夏の時期。夏はケガが多くなる時期でもあります。擦り傷や切り傷の正しい処置法、ご存知ですか?

 

傷には消毒?実は大きな間違いです

傷を負ったらまず消毒!誰でも一度は耳にしたことがあると思います。
しかし、消毒薬は細菌を殺すばかりではなく、傷を治癒させようと働く細胞や、細胞を増殖・分化させる物質の活性を止めてしまいます。その結果、かえって傷の治りも遅くなってしまうのです。

 

かさぶたができれば傷が治っている?

誤った知識としてよく知られているものがもうひとつ、傷口はよく乾燥させた方がよいというもの。乾燥させることでかさぶたができると傷は順調に治っているように見えるかもしれません。しかし実はこれも間違い。ケガをすると、傷口には滲出(しんしゅつ)液という透明の体液がにじみ出てきます。この液には、傷を修復し皮膚を再生させるさまざまな物質が含まれています。したがって、傷を早くキレイに治すにはこの滲出液を乾かさないようにすることが大切なのです。

 

傷の正しい処置法(湿潤療法)special65_img02

では、傷を負った時の正しい処置法をご紹介します。
1.傷口を水でよく洗う
この時、消毒はしないようにしましょう。大事なのは傷口についた汚れをきれいに洗い落とすこと。
また、水道水は安全なの?と思われるかもしれませんが、日本の水道水はほぼ無菌状態であることが確認されているので、特に問題はありません。

 

2.傷口より少し大きめのラップで傷を被う
ラップ以外に、水を通さないフィルムでも大丈夫です。
ここでの大事なポイントは、傷を常に湿らせた状態にしておくこと。そうすることで、人間が持っている自然治癒能力を最大限に活かすことができます。

 

3.ラップの縁をテープでとめる
この時、ラップのまわりは完全にテープで覆ってしまわないようにしましょう。
隙間を残しておいて余分な滲出液が外に流れ出るようにしておくと、かぶれなどのスキントラブルが少なくなります。

 

以上が正しい処置法となります。傷の水洗いとラップの交換は毎日行うようにしましょう。
このように、傷口を消毒せず、湿らせた状態にしておく処置法を湿潤療法といいます。
湿潤療法は特に擦り傷には大変効果があるといわれています。転んで擦りむいてしまった時などの治療としてぜひ参考にしてみて下さい。

 

湿潤療法をしない方がよい傷

・深い刺し傷special65_img03
・動物に噛まれた傷

上記のような傷は破傷風や蜂窩織炎などの創感染の可能性があるので閉鎖湿潤療法は避けてください。

 

また、傷口の断面がギザギザにささくれていたり大きな傷の場合は、洗浄が十分に行えず、そのままラップ等で密封してしまうと嫌気性菌という空気が無いところで繁殖する菌が増殖して大変なことになる場合もあります。
傷の状態によっては治療方法が異なってきますので、ひどい傷の場合はすぐに医療機関を受診しましょう。

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