■痔って何？
痔（じ）とは、肛門部周辺の静脈が圧迫され、血液の流れが滞ること等によって発生する疾患の総称のことです。痔疾（じしつ）ともいいます。

 

■痔の種類と症状
イボ痔…これは、出血はほとんどないのですが、触るとかなりの痛みがあります。
外痔核というのが正式名で、ポコッと飛び出しています。またイボ痔は更に４つの種類に分けられます。
・便秘痔⇒便秘症で排便時は気張らないと出ない。
・下痢痔⇒便が柔らかく、排便後、何度も拭くことが多い。
・冷え痔⇒生理痛があり長時間同じ姿勢でいることも多く、手足が冷える。
・酒痔⇒脂っこいものが好きで、毎晩お酒を飲む。

 

切れ痔…排便時に痛みもあり、出血もします。
便秘や下痢が影響して、肛門が切れてしまう外傷です。

はしり痔…排便時に痛みはないのですが、出血をします。正式名は内痔核といいます。

あな痔…触ると痛みがあり、かゆみや熱感もあります。また、出血時にはウミも混ざっていたりします。正式名は痔瘻（じろう）といい、下痢が多いとなりやすいです。肛門の周囲が下痢のときに細菌感染して炎症を起こしています。

 

■痔の原因
痔の原因は様々ありますが一番多いのが「うっ血」です。
これは、血流が悪くなり体の細部まで血液が行き渡らない状態のことを言います。
デスクワークの人、ずっと立ちっぱなし、同じ体勢でいることがおおい人はお尻の辺りで血流が悪くなり、痔になってしまいます。

 

■予防方法
・トイレで強くイキまない…なるべくイキむ時間を短くしましょう。多少の残便感があっても無理に全て出し切ろうとせず「また便意を催したら出そう」と気軽に考えた方が肛門への負担も少なくなります。

・排便後はお尻をきれいに洗う…便の中には刺激物質が数多く含まれていますから、紙で拭くだけでは痔をかえって悪化させることになりかねません。お湯で洗い流すことによって便の付着は減りますし、痔の様々な症状も治まるのです。

・毎日入浴する…入浴することによって体が温まり、肛門周辺の血行がよくなります。また、肛門も清潔に保たれることになります。

・長く同じ姿勢でいない…長い時間座っていたり、立ったままでいると肛門がうっ血するようになります。ときどき軽い体操をするなど、適度の運動を心がけて体の血流を良くしましょう。

・便秘、下痢に注意する…便通異常が痔の最大の原因です。食物繊維の多い食事を摂って便秘を予防する、暴飲暴食を避けて下痢を防ぐようにする、など、日頃から正しい排便を心がけるようにしましょう。

・腰を冷やさない…腰を冷やすことで肛門周辺の血流が悪くなり痔を悪化させてしまいます。

・アルコール、刺激物を控える…こしょうや唐辛子など香辛料の大部分は体内に吸収されず便として排泄されるので、肛門が刺激されます。また、アルコールを大量に摂取するとうっ血や下痢を起こし易くなるので、肛門に負担がかかります。