■白内障とは？
白内障は水晶体を構成する蛋白質であるクリスタリンが変性し、黄白色や白色に濁ることで発症しますが根本的な原因は解明されていません。症状に個人差はありますが、60代の60～70％、70代では80～90％、80代になると95％以上の人の水晶体に濁りが生じ、白内障を発症しているとされています。
このため、水晶体の白濁そのものは、病気ではなく、皮膚のシミや皺などと同じく老化の一環であるという考え方もあります。
 
■考えられる原因
白内障発症の考えられる原因として
・先天性
・糖尿病
・胎内感染
・外傷性
・有害光線（紫外線や赤外線、日焼けマシン（人工日焼け）によるもの
・原爆やレントゲンなどによる放射線被爆
・ダウン症候群
あげられます。
 
外傷によるものでは、目に極端に強い衝撃を受けた場合や目に物が刺さった場合、また雷に打たれて1日で白内障になったという例もあげられています。

 

■症状
発生の原因によって、症状の現われ方と進行の速度には違いがあります。
ある程度まで白濁が進むと水晶体の中で散乱する光によって視界が白く染まってしまいます。そこに至る過程では視界に霧がかかったようになる（「すりガラス越し」と表現されることもありますが、「白く靄がかかってはいるが、その向こうの物体にはピントが合ってちゃんと見える」状態となります）。
 
■治療

白内障は初期の自覚症状があまりないのが特徴です。現在のところ、白内障の治療法は手術以外にありません。
目薬や内服薬は病状の進行を抑える作用はありますが、それでも症状が進んでしまった方は、最終的には手術を受けることになります。ただ、白内障の手術は眼科の手術の中で最も件数が多く、また成功率も高く、日帰りも可能な手術になっていますので、あまり心配は要りません。
左のグラフはある眼科医院で白内障手術を受けた患者さんの年齢別の割合です。

■人以外に白内障ってあるの？
多くの動物種で存在しますが、特に馬や犬で多く発症しています。また犬における白内障の大部分は遺伝性であるといわれています。

■生活上の注意
白内障をはじめ、眼疾患には加齢に伴って増えるものが多く、自覚症状のないものもありますので、中年以上では、定期的に眼科検診を受けることがお勧めです。一般には老眼鏡が必要となった時期が眼科受診の良いチャンスであるといわれています。
是非一度眼科で診察を受けて自分の目について知ることが大切ですね。