第41回 ロタウィルス胃腸炎
2012.3.31 - [病気]
ロタウイルス胃腸炎は、乳幼児に多くおこる感染症胃腸炎の1つで脱水、けいれんなど重症化することもある胃腸炎です。ロタウイルス胃腸炎の対応法を覚えておきましょう。
■ロタウイルス胃腸炎とは?
ロタウイルス胃腸炎は、ロタウイルスという感染力の強いウイルスによって起こる乳幼児の急性胃腸炎です。主な症状は、白色・水のような下痢便が続き、激しい嘔吐、38℃以上の熱などが3日~7日続きます。
生後4ヵ月~3歳児が主に発症しやすく5歳までにほとんどの乳幼児が感染します。ロタウイルスには多くのタイプがあるため、一度感染しても他タイプのウイルスに感染すると再び胃腸炎を起こすことがあります。ロタウイルス胃腸炎が疑われる場合は、受診しましょう。
■ロタウイルス胃腸炎を予防するには?
ロタウイルス胃腸炎の予防に、ワクチンがあります。任意接種で生後6週~6ヵ月まで接種でき、4週間以上の間隔をおいて2回ワクチンをのみます。ただし、慢性的な消化器疾患がある場合など注意が必要な場合もありますので、かかりつけの小児科にお尋ね下さい。
■感染後の家での対応は?
何度も激しい嘔吐・下痢をしていると体の小さな乳幼児は脱水を起こしやすくなります。そのため、ロタウイルス胃腸炎にかかったら、こまめな水分補給で脱水を防ぐなど適切な処置が必要です。
1.食事
繰り返す嘔吐・下痢により体から水分と塩分を失うので、補ってあげることが必要です。嘔吐が落ち着いてから乳幼児用のイオン飲料や経口補水液などを少量ずつ補給してあげましょう。
また、食べられるようであれば消化のよいものを与えましょう。
2.病院・薬
脱水症状やけいれん、意識障害が現れたら、すぐに受診しましょう。また、下痢をしているからといって市販の下痢止めを飲ませてはいけません。下痢には体内のウイルスなどを排出する役割があります。
3.手洗い
帰宅時、調理時、嘔吐物処理の後など石鹸を使って丁寧に行いましょう。
4.排泄物、吐瀉物の処理
使い捨て手袋をはめて処理し、ポリ袋へ。外した手袋も入れて捨てるのを忘れずに。
5.感染者が触ったもの
おもちゃなどは、85℃以上の熱湯か市販の塩素系漂白剤の希釈液でウイルスを除きましょう。また、嘔吐などで汚れた衣類も同様の処理をした後に、洗濯をしましょう。