第54回 季節の変わり目と自律神経
2013.4.30 - [健康]
最近ようやく春らしい暖かい日差しが増えてきました。
季節の変わり目は風邪を引いたり「だるさ」や「ねむけ」など体調不良を訴える方が多い時期でもあります。
特に春は、朝晩と毎日の気温差や環境の変化により自律神経の働きが乱れやすい季節です。
■自律神経とは?
自律神経とは、汗をかいたり、ホルモンの分泌を調整したり、心臓を動かしたり、自らが意識しないでも自然に体の各機能を調整するように働いてくれる神経です。活動的な交感神経と、休養するための副交感神経が相互にバランス良く働くことで、動いたり休んだりをうまくコントロールしているのです。
■交感神経と副交感神経
交感神経は体温低下、血圧上昇、心拍を速めるなどの働きがあり、活動的な朝から日中に優位に働きます。副交感神経は体温上昇、血圧低下、心拍をゆるやかにし、血行をよくするリラックス状態の夕方から夜にかけて優位に働きます。夜ぐっすり眠れるのはそのためです。
自律神経の不調は、この2つの神経が優位に働く場面で優位にならないなど、切替がうまくいかなくなった状態です。
ストレスが多く、テレビやインターネットなど夜になっても興奮状態が続く生活環境で副交感神経の働きが弱くなっている方が多いのですが、季節によっても変化すると言われています。
■季節と自律神経
冬が近づくと交感神経が優位になり、血圧を上げ、体温を下げることで寒さに備える。夏に向かう頃には副交感神経が優位になり、血圧を下げ、体温を上げて暑さをかわします。 秋は体が防御態勢に入り、自律神経がスムーズに切り替えやすいので体調は崩れにくいのですが、冬から春にかけてガードをほぐしていくのが難しく、自律神経の切り替えが上手くいかず体調不良になる方が多いようです。
■自律神経を整える生活習慣
1.1日の生活リズムを作る
毎日の起床・就寝時間、食事の時間がなるべく同じになるように心がけましょう。
朝に太陽の光を浴びるのも効果的。
2.バランスの良い食事を
バランスの良い食事は健康の基本。
特にビタミンやミネラルは自律神経のバランスを保つために大切な栄養素。
3.睡眠をとる
睡眠時間は8時間必要とされていますが個人差があります。10時間必要な方もいれば6時間で十分という方も。自分に合った睡眠時間を確保できるように心がけましょう。
4.身体を動かす
スポーツも健康には欠かせません。
ウォーキングはスピードアップ、寝る前のストレッチなど、毎日の生活の中でストレスにならない程度に気軽に身体を動かせることを探してみましょう。
5.不調にこだわりすぎない
毎日の生活でストレスはつきもの。不調を感じることは誰にでもあることです。
その不調をどう受け止めるかは個人差がありますが、あまりこだわり過ぎないことが大切です。
■最後に
自律神経の不調は、誰にでも起こり得ることで自然と治ることも多いのですが、少しでも不調を感じたら生活習慣の見直しから始めてみましょう。