第100回 モイストヒーリング(湿潤療法)
2017.3.30 - [生活]
雪も溶けて暖かい季節になってきましたね。
春になってジョギングやサイクリングを楽しむ方も多いのではないでしょうか。
外に出る機会が増えるとケガをしてしまう心配もありますよね。
そこで今回は傷のケアとして知られるモイストヒーリング(湿潤療法)についてご紹介したいと思います。
■モイストヒーリングとは
傷口を乾かさないよう患部を密閉し湿度を保つことで、人間が本来持っている自然治癒力を引き出す療法です。そして患部の痛みを軽減させ、傷を早く、キレイに治します。これまでの「傷口は消毒して、乾かして、かさぶたを作って治す」という考え方に対して、近年では人間の本来持つ自然治癒力に着目した傷口のケアが注目されています。皆さんは今までケガをした時に、傷口から透明な液体が染み出てきた経験はありませんか?実はその透明な液体は、体液(浸出液)と言って傷を治す働きがあります。モイストヒーリングでは、この体液の働きを最大限に活かし傷口を体液で潤す(=かさぶたを作らない)ことがとても大切なのです。
■モイストヒーリングが傷口を早くキレイに治すしくみ
絆創膏であるパッドが、かさぶたの代わりとなり体液を吸収して白くふくらみ、傷口に潤いを保ちます。これによって新しい皮膚が早くキレイに再生されます。
■モイストヒーリングはどんな傷にいいの?
擦り傷、切り傷、あかぎれ、軽度のやけど、さかむけにお勧めです。
■こんな時は病院へ!
裂け傷、かみ傷、刺し傷、重度のやけどの時には医療機関で診てもらいましょう。
■モイストヒーリングを使用するときのポイント
ポイント1 洗浄する…傷口をよく洗浄して異物を取り除く。消毒液は使わない。ケガをしたらすぐに使う。
ポイント2 傷口をケアする…水気をしっかりふき取り、血が止まるまで手で抑えておく。
ポイント3 傷を保護する…市販のモイストヒーリングの絆創膏を貼り、傷口が乾かないようにする。
ポイント4 経過を観察する…傷口がふさがるまで、傷口の様子を見る。絆創膏のパッドが汚れたり、剥がれたりした時には、新しい絆創膏に貼り替える。
現在ではモイストヒーリングを利用した絆創膏がたくさん販売されています。ご自身やご家族のケガに正しく対処して、傷を早くキレイに治しましょう。