第121回 乳酸菌
2019.2.15 - [栄養]
寒さの厳しい中、新生活に向けて体調管理には十分気を付けているかと思います。
今回は、体に良いと言われている「乳酸菌」についてお話したいと思います。
●乳酸菌とは
糖類から乳酸をつくる細菌の総称で、人の体によい働きをするものが多く、たくさんの種類があります。
大腸には「善玉菌」と呼ばれる乳酸菌、その一方で「悪玉菌」が存在し、悪玉菌が増えると腸の老化が進んでしまいます。
乳酸菌が作り出す乳酸は、腸内を酸性にし、酸性環境の苦手な悪玉菌を減らしてくれます。
更に腸の働きを活性化し、消化吸収やぜん動運動を促してくれるため、便秘の改善にもなります。
免疫力を高める働きから、花粉症などのアレルギーに対する効果やインフルエンザなどの感染症予防としても注目されています。
理想的な腸内環境は、出来るだけ善玉菌が多い状態と言われています。
このような腸内環境を保つ事が健康促進や老化防止につながります。
●乳酸菌を含む食品
動物性乳酸菌(チーズやヨーグルトなどの乳製品)
植物性乳酸菌(漬物や味噌、納豆などの発酵食品)
食品から善玉菌をとっても、3~4日で体外に排出されてしまうため、毎日こまめにとる習慣をつけることが大切です。
最近では、様々な乳酸菌飲料や機能性食品があります。それぞれの特徴や機能を知って摂り入れましょう。
善玉菌のエサとなり腸内を掃除してくれる食物繊維(野菜・果物・豆類・きのこ・海藻)やオリゴ糖を含む(大豆、玉ねぎ、バナナ、ハチミツなど)を摂る事もおすすめです。
●乳酸菌の効能・種類
乳酸菌の持つよく知られている効果と代表的な菌を紹介します。
〇整腸作用(便秘の予防・解消) | L・カゼイ・シロタ株、LGG乳酸菌など |
〇免疫力強化作用・感染症の予防 | R-1乳酸菌、ラブレ菌、プラズマ乳酸菌、シールド乳酸菌、乳酸菌L-137など |
〇ガン予防が期待できる乳酸菌 | L・カゼイ・シロタ株など |
〇免疫調整機能(抗アレルギー作用) | L-92乳酸菌、LCC乳酸菌、L-55乳酸菌など |
〇内臓脂肪の低減作用 | ガゼリ菌SP株、CP1563株など |
〇コレステロール値低減作用 | LGG乳酸菌など |
〇抗ストレス作用・睡眠の質を改善 | プレミアガゼリ菌CP2305株など |
〇ピロリ菌抑制作用 | 乳酸菌LG21株など |
〇アンチエイジング・寿命伸長作用 | プラズマ乳酸菌など |
●適度な運動、十分な睡眠
運動不足は、腸の働きが弱くなり腸内バランスを乱れてしまいます。腸筋が弱ると排便力が弱くなるため便秘の原因になります。
腸のぜん動運動を高めるためにもこまめに運動する事が大事です。
また腸は第二の脳と言われ、気分や感情に大きく影響します。
十分な睡眠をとることで、「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質セロトニンが作られ、体だけではなく心の健康を保つためにも大切です。