第127回 GABA
みなさん「GABA」ってご存知ですか?ここ数年でよく耳にするようになった言葉ですが、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?今回はこの「GABA」についてご紹介します。
GABAとは、植物や動物、わたしたちの体内にも広く存在する、天然アミノ酸のひとつで、γ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)を略してGABA(ギャバ)と呼ばれています。
たんぱく質を形作っているアミノ酸とは異なり、特に哺乳類の脳や脊髄に存在し、抑制系の神経伝達物質として、ストレスを和らげ、興奮した神経を落ち着かせる働きをしています。ドーパミンなどの興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を抑えて、リラックス状態をもたらす作用があります。
現代社会はストレスがいっぱいです。そのため、体内にあるGABAは、ストレスを和らげるために使われて常に不足しやすい状態になっています。本来なら、GABAは体内で十分な量が作り出されるのですが、ストレスにさらされていたり、高齢になってきたりすると、体内のGABA量が少なくなる傾向があります。不足するとリラックスできずに精神的な緊張感が続いてしまいます。
最近では、GABAが含まれる食品が多く登場し、一般生活者にとっても、日常的なストレスの軽減に役立っています。ストレス対策のほかにも多くのことが期待され注目を集めている成分です。また、睡眠の質の向上に役立つ機能があることも報告され、そういった機能性表示食品も販売されています。
GABAは目安として、1回に30mg~100mgを食品やサプリメントから摂取することで、ストレス軽減などの効果が期待できると考えられています。効率よくGABAを摂取できるのは食品の中でも発芽玄米です。100g中に10mgのGABAが含まれています。それに対し、白米にはわずか1mg、胚芽米には2.5mg、玄米には3mgしか含まれていません。このほか、トマト、なす、アスパラガス、かぼちゃ、きゅうり、メロン、みかんなどの野菜や果物、漬物、キムチなどの一部の発酵食品にもGABAは多く含まれています。最近では、チョコレートや飴、コーヒーや醤油など、GABAを添加した多くの食品が開発、販売されています。
現代社会ではどうしても不足しがちになってしまうGABA。心と体の健康を保つためにも、効率よくGABAを摂取してみるのもいいかもしれません。
参考資料:ギャバ・ストレス研究センター
http://www.gabastress.jp/aboutgaba
発芽玄米の登場で注目されるGABA
https://www.health.ne.jp/library/detail?slug=hcl_3000_w3000731&doorSlug=cereal