第133回 ストレスとの付き合い方
社会人のストレスは、2~3月が一番高くなると言われています。
年度末に向けて仕事が増えたり、卒業や進学で大きく環境が変わったりする方も多いのではないでしょうか。
そうした環境の変化によって溜まったストレスが、5月の連休前後に「五月病」として表れてしまうこともあります。
そうなってしまうのを避けるため、今回はストレスとは何なのか、また、ストレス解消に効果的な方法をご紹介します!
<ストレスとは>
「ストレス」と言うとマイナスなイメージを抱く方が多いのではないでしょうか。
しかし、実はストレスは嫌なことばかりではありません。
辛いこと、悲しいことだけでなく、嬉しいことや楽しいことも私たちにとってはストレスになるのです。
では、ストレスとは何が原因なのでしょうか。
数あるものの中で、一つは「変化」だといわれています。
普段の生活環境や、働く上での社会環境など、私たちをとりまく状況の変化すべてがストレスとなりうるのです。
変化が起きると自律神経がはたらき、その変化になじんで適応しようとします。
適度な変化であれば問題ありませんが、変化が激し過ぎると自律神経が対応しきれなくなり、心身に支障をきたしてしまいます。
・ストレス反応
外部からの刺激に適応しようとして、心や体に生じたさまざまな反応のことを「ストレス反応」といいます。
ストレス反応はおおまかに次の三種類に分けられます。
身体面…肩こり、めまい、体が重だるい、頭痛、食欲増加・または減退、不眠 など
心理面…不安、落ち込み、焦燥感、イライラ など
行動面…仕事でのミスの増加・事故、暴言暴力、飲酒量の増加、喫煙量の増加 など
これらはストレスに対する私たちの体の自然な反応です。
体が正しく対処できているうちは、症状はしだいに改善されていきますが、長く続く場合は過剰なストレス状態に陥っているサインかもしれません。
また、症状が重い・長期間続くなど改善が難しい場合は、専門家(精神科・心療内科)に相談することをおすすめします。
<ストレスを軽減するために>
自分のストレス反応に気づいたら、休養や気分転換をするなど、早めにセルフケアをしてストレス解消を心がけるようにしましょう。
その方法をいくつか紹介します。
☆体を動かす
有酸素運動は脳が刺激され、ストレスを和らげてくれるためおすすめです。
中でも一定の動きを繰り返すジョギングやウォーキング、なわとびなどは、セロトニンと呼ばれる脳内の神経伝達物質を活性化させてくれます。
セロトニンが減少すると不安やイライラが大きくなってしまいますが、増えると安心感や幸福感、やる気にもつながるので、積極的に有酸素運動をしてセロトニンを活性化させましょう!
☆紙をビリビリに破る
イライラして何かに八つ当たりしたくなることもありますよね。
しかし衝動に任せて家の壁を蹴っても、イライラが収まった後で壁に開いた穴を見て後悔するだけ…。
それでも、どうしてもイライラが収まらない!という時は、身近にある壊しても良いものを壊してしまいましょう。
そこで一番適しているのが、チラシなどの不要な紙です。
ただの紙ではイライラが収まりきらない場合は、ダンボールなどもう少し丈夫なものにしてみるのもいいかもしれません。
☆湯船につかる
ストレス解消のためにいつもと違うことをするのは面倒、という人はゆっくり湯船につかりましょう。
湯船につかることで血行が良くなり、疲労回復に効果があるのはもちろん、お湯の浮力が体の緊張をほぐしてくれる効果もあります。
体の緊張がほぐれると心の緊張もほぐれ、副交感神経が優位になりリラックスできるのです。
最適な温度は39℃前後、湯船につかる理想的な時間は20分程度と言われています。
入浴剤やアロマオイルを入れて香りを楽しむと、よりリラックス効果が高まりますよ。
私たちの生活と切っても切り離せないストレス。
過剰にため込んでしまうと心身に悪影響を及ぼしてしまいますが、適度なストレスは記憶力を高めたり、達成感や満足感をもたらしたりと、よい影響も与えてくれます。適度に発散・解消しつつ、ストレスとうまく付き合っていきたいですね。