第162回 季節性うつ
暑さも少しずつ静まり過ごしやすくなってきましたね。
皆様はいかがお過ごしでしょうか?
今月は季節の変わり目に起こりやすい気分の変化についてお話しさせていただきます。
少し前までは感じていなかったのに今の時期に入ってから何となく気分が落ち込みやすい、気分が晴れない、憂鬱な気分になる、そのような気分の変化を感じたことはありませんか?
当てはまる項目があった方はもしかしたら「季節性うつ」かもしれません。
季節性うつとは季節の変わり目、主に日照時間が少なくなる秋から冬にかけて発症し日照時間が長くなる春頃に回復してくるといった周期的に起こる季節が関係する病気です。
人によっては毎年同じ時期に発症する方もいらっしゃるそうです。
この病気は通常いわれるうつ病と同じように症状が重いと日常生活にも支障をきたすことが多くあり深刻な病気です。
発症の原因は
日照時間の変化による体内時計の乱れや脳内のセロトニンという物質の分泌量の変化が考えられています。
日光を浴びることで多幸感に関与するセロトニンが生成されます。
セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンの原料にもなり、セラトニンの減少によりメラトニンの生成にも影響が出てきます。
メラトニンはホルモン分泌や睡眠・覚醒のリズムを調整する機能があり、減少することで様々な体調の変化が起きます。
症状の度合いによりますが改善のポイントは
・セロトニンの生成に必要な必須アミノ酸が含まれている肉・魚・大豆等のタンパク質が含まれた食事を心掛ける
・なるべく日光に当たるようにして自宅や職場を照明で明るくする。可能であれば軽いウォーキング等で運動を習慣化する
・体内時計を乱さないように生活スケジュールを整える
などがあります。
軽度なものであれば生活習慣の見直しをすることで症状を改善・軽減することができますが、症状がひどい場合は無理せず医療機関を受診することをお勧めします。