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第68回 熱性けいれん

2014.6.30 - [病気]

子どもはときどきけいれん(ひきつけ)をおこします。akachan_hikitsuke_keiren
もしも、自分の子どもが目の前でけいれんをおこしてしまったら、とてもびっくりし、怖い思いをするにちがいありません。ほんの1、2分のできごとなのですが、5分、10分、いやそれ以上にも感じられることでしょう。
お子様が発熱により、けいれんを起こしても慌てないために、熱性けいれんについて知っておくと安心です。
 
熱性けいれんとは?
主に6カ月から5歳くらいまでの乳幼児で38℃以上の発熱に伴って起きるけいれん性疾患を熱性けいれんと呼びます。脳炎や髄膜炎などの中枢神経系 感染症、代謝異常症、その他明らかなけいれんの原因疾患があるものは除きます。熱性けいれんは非常に頻度の高い病気で、日本人の有病率は7~9%といわれています。なぜこの時期の子どもに熱性けいれんが起きやすいのかはよくわかっていませんが、発達過程の脳が発熱のストレスに弱いためと考えられています。

症状は、急に手足がピーンと強くこわばること(強直性けいれん)が多いのですが、 同時に、目はあらぬ方に向いて、口からあわをふき、呼吸を止めてしまいます。次第に唇や顔の色が紫色にかわってきます(チアノーゼ)。それで終わることもありますが、その後、手と足をいっしょに、大きくピクン、ピクンと曲げる様子が見られることもあります(間代性けいれん)。顔だけとか、手だけといった部分的なけいれんではなく、体全体におきる、はなばなしい全身性のけいれんです。こんなけいれんが、短くて30秒ほど、長いと2、3分、平均すると1分前後続いたあと、力が抜けるように、けいれんがおさまっていきます。
 
対処の仕方
落ち着いて、注意深く、子供を観察します。怪我をしないように、子供を床あるいは地面のような広くて安全な所に横にします。けいれん中に子供を抱きしめたり、押さえつけてはいけません。窒息しないように、子供を横向きかうつ伏せにします。できれば、口のものをすべて優しく取り除きます。けいれん中に子供の口に何も入れてはいけません。口に入れたものが壊れて子供の気道を塞いで窒息させるかもしれません。発作が10分以上続く場合には、けいれんに対する処置を受けるために、最も近い病院へすぐに連れて行ってください。一旦発作が終了したら、子供を熱の原因をチェックするためにかかりつけの医師の診察を受けて下さい。子供の首の後ろが硬かったり、ぐったりしていたり、あるいはたくさん嘔吐した時は、特に急いで連れて行って下さい。
難しいかもしれませんが、落ち着いて観察することが大切です。

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