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  • ジュニア世代アスリートの食事

    2024.9.3

    現在、スポーツの現場でも栄養サポートのニーズが高まっており、トップアスリートはもちろん、ジュニア層、健康増進を目的としたスポーツ愛好家まで、さまざまな層で求められています。

    テックの管理栄養士は昨年度、運動部やクラブチームに所属している学生さん約300人の栄養相談を担当させていただきました。

    スポーツを頑張る方にとって、トレーニングと同じくらい大事なのが食事による栄養補給です。
    今回は、ジュニア世代アスリートの食事のポイントについてご紹介いたします。


    まずは基本の食事の形を毎食そろえることが大事!
    この形をそろえることで「五大栄養素」とよばれる炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルがそろい、自然とバランスよく摂取できるようになります。
    初めて食事指導を受ける学生さんには、まずこの基本の形をそろえることを目標にしてもらっています。
    主食・主菜・乳製品は意識して食べている人が多いですが、副菜や果物はおろそかになりがちな印象です。


    スポーツをしている人はエネルギー消費量が多いため、一般の人よりも主食の量を増やす必要があります。
    また、主食にはたんぱく質も含まれており、肉・魚などの主菜と合わせて必要な量のたんぱく質を食事で摂取するのが理想的!
    食事で十分なたんぱく質を摂取できていれば、プロテインは必ずしも必要ではありません。


    アスリートに限らずですが、朝からしっかり食事を摂ることはとても大切です。
    朝食を抜いてしまうと朝練にも集中できず、1日に必要なエネルギーやたんぱく質を摂取することが難しくなります。
    朝に弱い学生さんはついつい朝食を抜いたり、簡単な内容で済ませたりしがち…。
    「朝はパンと牛乳だけ」というような主菜・副菜の欠けた食事をしている人もちらほら見られます。
    そんな人たちにはまず、栄養バランスを整えるために「これだったら食べられそう」と思う食品を一緒に考えてもらい、少しずつプラスしていくことから始めます。
    例えば、パンと牛乳だけの朝食をとっている場合は「ハムやチーズをのせてピザトーストにする」「たまごと野菜を挟んでサンドイッチにする」など、ちょっとした工夫で今の食事に栄養をプラスすることができます。
    そしてゆくゆくは理想的な「基本の食事の形」に近づけていくことを目標にします。

    また、たんぱく質はからだの中に摂り貯めておくことができない栄養素なので、朝・昼・夕3回の食事で均等に摂取するのが筋肉量の維持・向上にGOOD👍
    「たんぱく質は夕食でたっぷり摂っているから大丈夫」とは思わず、手軽に摂れる食品を活用して朝食にも上手く分配するとよいでしょう。


    最後に「補食」についてです。
    補食は1日3回の食事で摂りきれない栄養素を補うための食事であり、アスリートにとって重要なものです。
    似ている言葉に「間食」がありますが、これは単に食事と食事の間にとる食事のことであり、補食とは食べる目的が違います。
    アスリートや激しいトレーニングをする人は運動で消費する栄養素をその前後で補う必要があり、補食をとるタイミングとその内容を工夫することでパフォーマンスや筋肉量の維持・向上が期待できます。
    学生さんの場合は部活での練習後、帰宅して夕食を食べるまでの間にかなり時間が空いてしまうようなケースもあり、そういう場合には練習後30分以内におにぎりなど炭水化物とたんぱく質の両方を補給できるような食品を食べておくことをおすすめしています。
    補食を自分で用意する学生さんにはコンビニで買えるようなものを提案することも多いです。

    今回は基本的な部分をご紹介しましたが、アスリートの食事は競技の種目(持久系、筋力・瞬発力系など)や目的(増量・減量・持久力UPなど)によって、さらに工夫すべきことが変わってくるので、また別の機会にご紹介できればいいなと思います。

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