【薬剤師監修】夏に気をつけたい食中毒対策とは?家庭でできる予防のポイントを解説

薬剤師監修による夏の食中毒対策を解説するアイキャッチ画像。家庭でできる予防方法として、手洗い・十分な加熱・適切な保存・調理器具の清潔保持を紹介。

夏こそ気をつけたい「食中毒」。正しい知識で家族の健康を守りましょう

夏になると気温や湿度が高くなり、細菌が繁殖しやすい環境になります。そのため、この時期は食中毒の発生件数が増える傾向があります。

しっかり加熱したから大丈夫
冷蔵庫に入れているから安心

と思っていても、食品の取り扱い方や保存方法によっては食中毒が発生する可能性があります。

薬局でも、

  • お腹の調子が悪い
  • 下痢が続いている
  • 吐き気がある
  • 発熱している

といったご相談を受けることがあります。

これらは食中毒が原因となっている場合もあります。

今回は、夏場に特に注意したい食中毒について、原因や症状、ご家庭でできる予防方法を薬剤師の視点から分かりやすくご紹介します。

食中毒とは?

食中毒とは何かを解説したイラスト。サルモネラ菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌(O157)、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、ノロウイルスなど主な原因と夏に注意すべき食中毒について紹介。

食中毒とは、細菌やウイルス、有害な物質などが付着した食品を食べることで起こる健康障害のことです。

特に夏は気温や湿度が高くなるため、細菌が短時間で増殖しやすくなります。

代表的な原因菌には、

  • サルモネラ菌
  • カンピロバクター
  • 腸管出血性大腸菌(O157など)
  • 黄色ブドウ球菌
  • 腸炎ビブリオ

などがあります。

また、冬場に多いノロウイルスも食中毒の原因の一つです。

食中毒は誰でも発症する可能性がありますが、特に高齢者や小さなお子さま、妊婦の方、免疫力が低下している方は重症化しやすいため注意が必要です。

日頃から正しい食品の取り扱いを心掛けることが、食中毒予防につながります。

食中毒の主な症状

食中毒の主な症状を解説した図解。腹痛、下痢、嘔吐・吐き気、発熱など代表的な症状と、症状が続く場合は医療機関を受診する目安を紹介したイラスト。

食中毒になると、原因となる細菌やウイルスによって症状は異なりますが、次のような症状が見られることがあります。

腹痛

食中毒で最も多く見られる症状の一つが腹痛です。

腸内で細菌が増殖すると炎症が起こり、お腹が差し込むように痛くなったり、鈍い痛みが続いたりすることがあります。

軽症の場合は自然に改善することもありますが、痛みが強い場合や長時間続く場合は医療機関を受診しましょう。

下痢

体内に入った細菌や毒素を排出しようとするため、下痢が起こることがあります。

何度も下痢を繰り返すと体内の水分や電解質が失われ、脱水症状を引き起こす恐れがあります。

水分補給を心掛けながら、症状が続く場合は早めに医療機関へ相談しましょう。

嘔吐・吐き気

食中毒では胃腸への刺激によって吐き気や嘔吐が起こることがあります。

無理に食事を摂ろうとせず、少量ずつ水分補給を行い、安静に過ごすことが大切です。

嘔吐が続き、水分も摂れない場合は脱水症状になる危険があるため、早めの受診をおすすめします。

発熱

細菌やウイルスに対する体の防御反応として発熱することがあります。

38℃以上の高熱が続く場合や、激しい腹痛・血便などを伴う場合は重症化の可能性もあるため、速やかに医療機関を受診しましょう。

食中毒が起こる原因

食中毒は、食品に付着した細菌やウイルス、有害物質などが体内に入り、胃腸などに影響を及ぼすことで発症します。

特に夏は気温や湿度が高くなるため、細菌が繁殖しやすく、食中毒のリスクが高まります。

厚生労働省では、食中毒予防の基本として「つけない・増やさない・やっつける」の3原則を推奨しています。

毎日の生活の中で食品の取り扱いを少し意識するだけでも、食中毒のリスクを減らすことにつながります。


▼厚生労働省「食中毒」
食中毒|厚生労働

細菌による食中毒

夏場に発生する食中毒の多くは細菌が原因です。

代表的な細菌には、

  • カンピロバクター
  • サルモネラ菌
  • 腸管出血性大腸菌(O157など)
  • 腸炎ビブリオ
  • 黄色ブドウ球菌

などがあります。

これらは、

  • 生肉や鶏肉
  • 生魚や魚介類
  • 十分に加熱されていない食品
  • 調理器具や手指

などを介して食品へ付着し、体内へ入ることで食中毒を引き起こします。

特に夏はバーベキューや焼肉を楽しむ機会が増えます。

生肉を扱った箸やトングで、そのまま食べる野菜や焼き上がった肉を触ってしまうと、細菌が付着する恐れがあります。

調理器具は用途ごとに使い分けることを心掛けましょう。

食品の保存方法

食品は購入後、できるだけ早く冷蔵・冷凍保存することが大切です。

特に夏場は、短時間でも細菌が急速に増殖することがあります。

買い物から帰宅したら、寄り道をせずに冷蔵庫へ入れるようにしましょう。

また、

  • 消費期限
  • 賞味期限

を確認することも重要ですが、期限内であっても保存方法が適切でなければ安全とは限りません。

作り置きのおかずも、粗熱を取ってから冷蔵保存し、なるべく早めに食べ切ることをおすすめします。

手洗い不足

手には目に見えない細菌やウイルスが付着しています。

調理前や食事前だけでなく、

  • トイレの後
  • 生肉や魚を触った後
  • ごみを触った後
  • 外出先から帰宅した後

などは、石けんを使ってしっかりと手を洗いましょう。

指先や指の間、手首まで丁寧に洗うことで、食中毒の予防につながります。

今日からできる食中毒対策

食中毒は、日頃のちょっとした心掛けで予防できる可能性があります。

ご家庭でもすぐに取り入れられる対策をご紹介します。

こまめに手を洗う

食中毒予防の基本は手洗いです。

石けんを使い、流水で30秒程度かけてしっかり洗いましょう。

特に、

  • 調理前
  • 食事前
  • トイレの後
  • 生肉や魚を扱った後

は必ず手を洗う習慣をつけることが大切です。

食品は中心部まで十分に加熱する

細菌の多くは十分な加熱によって死滅します。

厚生労働省では、食品の中心部を75℃で1分以上加熱することを目安としています。

特に、

  • 鶏肉
  • ハンバーグ
  • ひき肉料理

などは中までしっかり火が通っているか確認しましょう。

生焼けの状態は食中毒の原因になることがあります。

▼厚生労働省「家庭での食中毒予防」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/01_00008.html

食品は適切に保存する

冷蔵庫や冷凍庫を活用し、食品を安全な状態で保存しましょう。

特に注意したいポイントをまとめました。

項目ポイント
冷蔵保存購入後はできるだけ早く冷蔵庫へ入れる
作り置き粗熱を取ってから冷蔵保存する
お弁当十分に冷ましてからフタを閉める
解凍常温ではなく冷蔵庫で解凍する

夏場のお弁当には保冷剤を活用すると安心です。

調理器具を清潔に保つ

包丁やまな板は、生肉・魚・野菜で使い分けることが理想です。

使用後は、

  • 洗剤で十分に洗う
  • 熱湯消毒を行う
  • 必要に応じて漂白剤を使用する

など、清潔な状態を保ちましょう。

また、ふきんやスポンジも細菌が繁殖しやすいため、定期的に交換・消毒することをおすすめします。

バランスの良い食事で体調を整える

食中毒を防ぐためには、体力や免疫力を維持することも大切です。

管理栄養士の視点では、

  • 主食・主菜・副菜をそろえた食事
  • 十分な睡眠
  • こまめな水分補給
  • 暑さによる疲れをためない生活

などが、健康維持につながります。

夏バテで体力が低下すると体調を崩しやすくなるため、毎日の生活習慣も意識してみましょう。

こんな症状は早めに医療機関へ相談しましょう

食中毒で早めに医療機関を受診すべき症状を解説した図解。激しい腹痛、水分が摂れないほどの嘔吐、下痢の継続、血便、38℃以上の高熱、意識障害、脱水症状などの受診目安と、高齢者・乳幼児・妊婦・持病のある方への注意点を紹介。

食中毒は軽症で済む場合もありますが、症状によっては早めの受診が必要です。

次のような症状がある場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。

  • 激しい腹痛が続く
  • 水分が摂れないほどの嘔吐
  • 下痢が何度も続く
  • 血便が出る
  • 38℃以上の高熱が続く
  • 意識がもうろうとしている
  • 強い脱水症状(口の渇き、尿量の減少、ふらつきなど)

特に、高齢者や乳幼児、妊婦の方、持病のある方は重症化しやすいため、症状が軽いうちから相談することが大切です。

また、自己判断で下痢止めなどを使用すると症状が悪化する場合もあります。お薬の使用について迷った際は、薬剤師へお気軽にご相談ください。

テック調剤薬局でできる健康サポート

テック調剤薬局が提供する健康サポートを紹介した図解。薬剤師による健康相談、管理栄養士による栄養相談、LINE健康相談、健康フェアや地域健康講座、在宅医療など、地域に根差した健康づくりの取り組みを紹介。
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管理栄養士が、

  • バランスの良い食事
  • 夏場の水分補給
  • 食欲が落ちた時の食事
  • 高齢者の栄養管理

など、一人ひとりの生活スタイルに合わせてアドバイスを行っています。

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まとめ

食中毒は、日頃のちょっとした心掛けで予防できる可能性があります。

特に夏は気温や湿度が高くなり、細菌が繁殖しやすい季節です。

食中毒を予防するためには、

  • 石けんを使ったこまめな手洗い
  • 食品を中心部まで十分に加熱する
  • 冷蔵・冷凍保存を徹底する
  • 調理器具を清潔に保つ
  • バランスの良い食事と十分な睡眠で体調を整える

ことが大切です。

ご家庭での食品の取り扱いを少し意識するだけでも、食中毒のリスクを減らすことにつながります。

暑い夏を元気に過ごすためにも、毎日の生活の中でできる予防を心掛けましょう。

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この記事を監修した人


【監修した薬剤師】
管理薬剤師 
奥出貴博(おくでたかひろ)
【保有資格】
・研修認定薬剤師 
・認定実務実習指導薬剤師 
・骨粗鬆症マネージャー 
・青森県糖尿病療養指導士
【所属】
テックイースト薬局
【プロフィール】
新卒でテック調剤薬局に入社して14年目の薬剤師。
一般的な外来処方箋受付対応から
在宅医療・地域健康啓発活動まで幅広く従事。
「みんなで楽しく働こう!」をモットーに
今日も元気に働いています。
これまでの経験を活かし、社内研修会や入社1~5年目
薬剤師フォローアップ研修会を企画運営し後輩育成にも尽力。
また、実務実習指導薬剤師として多くの薬学生の実務実習を担当。
新卒薬剤師採用担当なども務め、
薬局通常業務以外にも携わっています。
【趣味】
ゴルフ、キャンプ、家庭菜園、旅行(毎年沖縄へ!)

参考資料